和裁の学校に通った経験と大島紬の機織りの仕事の経験がある母に相談しながら、ハンドメイド作品を制作しています。
母は手縫いのみなので、私自身が手がけるミシンがけや洋裁は独学です。
工房TOUTUの先代は与論島出身で、大島紬で生計を立てていました。
島の人たちは、よく「とおとう」という言葉を口にします。標準語で「ありがとう」という意味の言葉です。先代からのものを引き継ぐという意味をこめて、自身の工房の名前を「TOUTU」と命名しました。
今の時代、日本人の生活は洋風化が進み、昔のように着物を日常的に着る習慣はあまりなくなり、それと同時に大島紬も昔ほど盛んに作られなくなりましたが、伝統工芸品として価値あるものとして、今でも作られ続けているようです。鹿児島県の鹿児島市谷山に「奄美の里」というところで、大島紬の制作と販売が長く続けられていますので、大島紬に興味がある方は、そちらのホームページもご覧になってください。時代の変化に合わせて、日本人の洋風化したライフスタイルにあったネクタイやスカーフなども制作され、カラフルなものも取り入れられているようです。昔と違って今の自由な日本の社会が反映されているようです。工房TOUTUでは、大島紬の生地を取り扱った製品は制作していませんが、先代が手がけた大島紬の仕立てられた服やバッグに触れてみて、その価値を実感しております。
大島紬の歴史は、絹を着ることを禁じられた江戸時代に、木綿のように見える絹織物として織られたといわれ、渋い味わいがあって丈夫なのが特徴です。昔作られた大島紬の製品の色柄に派手さやけれんといったものは見られませんが、天然繊維の絹特有の軽くて着心地よく、つやがあり、また簡単に虫にくわれず、保管や手入れの仕方しだいでは丈夫で長持ちする価値あるもので、伝統工芸品として今でも残っています。
こちら工房TOUTUのホームページでは、ハンドメイドの作品とオリジナルデザインの製品を紹介しながら、あわせて日本固有の文化についても、ときおりご紹介し発信したいと思っております。
工房 TOUTU
富田 絵里子